こんにちは。
エグゼムギターのメタル高橋デス!
エレキギターのネックは主に木材で出来ていますので、弦の張力や湿度の影響によって、反りが出てしまうことが頻繁にあります。
ギターのネックは、反ることが前提となっているので、トラスロッドという機構が埋め込まれています。
この記事では、ギターネックが反ってしまう原因や対処方法、さらに誰でも簡単に反りの状況を確認する見分け方について、解説していこうと思います。
- ギターのネックの反りを見分けたい
- 反りの調整方法を知りたい
- 適切なコンディションにセットアップしたい
動画でギターネック反りの見分け方を確認
ギターネックの反りを確認する方法は、動画で解説しているので見てね!
ギターネックが反る方向
まず、初心者向けにギターネックの反り方向に応じた呼び方について解説していきます。
これはギター用語になりますが、ネックの反りには、
順反り
逆反り
という呼び名があります。
それぞれネックが反っている方向が違い、さらに対処方法も違うため、この基本用語だけは少なくとも覚えておきましょう。
順反り
まずは順反りについてです。
順反りとはギターのネックが、弦の張力によって起き上がってしまっている状態のことを言います。
画像のようにネックが反っている状態を順反りと呼びます。
基本的にギターは弦を張って力が加わっていますので、ネックは順反り方向に進んでいきます。
順反りが進むと、特にハイフレット側の弦高が高くなったりと弊害がありますので、適切に直していく必要があります。
逆反り
お次は逆反りです。
逆反りは順反りの反対方向にネックが反っている状態を言います。
よっぽどなことがない限り、ネックが逆反りしてしまうことはないと思いますが、湿度の変化や木材の特性によっては、逆反りになってしまうことがあります。
ギターネックが逆反りしてしまうと、押さえたい弦よりもハイフレットよりのフレットに弦が触れてしまい、音のビビりや音詰まりの原因になります。
ギターの演奏に大きな影響を与えてしまいますので、逆反りの方が状態が良くありません。
しかも、ネックの反りを調整するためのトラスロッドは、基本的に順反りを逆反り方向に直す機能しかありません。
なので、トラスロッドが全く回されていない状態でネックが逆反りになると、修正が難しくなってしまいます。
そうならないように、製作過程で対処はされているのですが、もしそうなってしまった場合は、リペアショップに持っていくしかないです。
ギターネックが反ってしまう原因
次に、なぜギターネックは反ってしまうのか?について解説していきます。
多くのネックが木材で出来ているという理由が大半ですが、その原因について紹介します。
- 弦の張力
- 湿度
- 木材の性格
ネックの反りの原因は、主にこの3つになります。
木材はしなって曲がるという特性に加え、弦の張力はかなり強力ですので、それで木材が曲がってしまうという原因が主になります。
そして弦の張力に加えて、湿度も反りに影響します。
木材は常に呼吸をしており、水分を吸ったり吐いたりしています。
湿度が高い場合や低い場合は、そのバランスが崩れて、反りの原因になってしまいます。
一般的に、高湿度の場合は逆反り、低湿度の場合は順反りになる
また、木材にはそれぞれ個体差というものがあります。
順反りしやすい木材や逆反りしやすい木材など、それぞれの木材に性格がありますので、それによって反ってしまうこともあります。
ネックの反りを防止する方法
ネックの反りの原因のお話に続き、それを防止する方法について解説しておきます。
主に対処方法はこちらになります。
- 湿度調整
- 弦をやや緩める
- 指板のメンテナンス
原因の大半が弦の張力と湿度ですので、湿度調整をしたり、弦を少し緩めるのが対処方法になります。
湿度の対処については、こちらの記事で解説しているので参考にしてください。
また、ローズウッド指板とエボニー指板は無塗装ですので、指板のメンテナンスを行うのも重要になります。
指板のメンテナンス方法については、こちらの記事で解説していますので、参考にしてください。
ギターネックの反りを見分ける方法
続いて、そもそも自分のギターのネックは、どちらに反っているのかを見分ける方法についてです。
ギターのネックは、いくら反るとはいえ、そのまま見ただけで明らかに曲がっているほど反るわけではありません。
微妙な反りですので、正しいやり方でないと、反りを見分けるのは難しいでしょう。
ですので、ここで正しい反りの確認方法について解説していきますね。
- ギターを弾く体制に構える
- 1Fと最終フレットを押さえる
- 12Fとフレットの隙間を見る
これがリペアショップでも行われている、反りの確認方法になります。
文章だけだとわかりづらいので、画像付きで解説します。
ギターを弾く体制で構える
チューニングでもネックの調整でも同じことですが、まずはネックを普段弾く角度に構えます。
そうする理由は、重力影響が多少なりともあるからです。
ギターのセットアップは、ギターを弾く時にベストなコンディションにするのが目的なので、寝かせるよりも弾く体制で行うようにしましょう。
1Fと最終フレットを押さえる
次に、写真のように1フレットを左手で押さえ、最終フレットを右手の小指で押さえます。
さらに、人差し指で12フレットをタップします。
これが基本姿勢ですので覚えておきましょう。
ここで確認するのは、12フレットと弦の隙間です。
この隙間を確認することによって、ギターネックが順反りなのか逆反りなのかを確認することが可能になります。
順反りか逆反りかの判断基準
とは言っても、隙間でどうやって判断するのか、わからないと思いますので、今から実例をお見せしていきます。
順反り状態
見辛いとは思いますが、良く見ると12Fと弦の間に隙間があると思います。
ここに隙間があれば順反り状態になります。
基本的に、やや順反り状態が理想のセットアップですので、ここの隙間の空き具合を見て調整していくことになります。
写真の隙間具合だと、少し順反りといった感じです。
逆反り状態
そして逆反り状態ではこのようになります。
先ほどと明らかに違うと思いますが、12Fと弦が完全にくっついています。
この状態では、弦がビビって音詰まりが起き、使い物にならないギターになってしまいますので、適切な反り具合に戻していく必要があります。
適正なやや順反り状態
写真ではほぼわかりませんね(笑)
先ほどの順反りよりも、隙間が極限まで狭くなっている状態が理想的な順反りです。
隙間はハガキ1枚分が目安
良く言われているのが、紙1枚分やハガキ1枚分の隙間です。
これも良くわからない基準ですが、感覚の世界なので、興味のある方は一度リペアショップで確認してみましょう。
ギターネックの調整・修正方法
自分のネックの反りがどちらなのかを確認したら、次はネックの調整をしてみましょう。
ネック調整はトラスロッドと呼ばれるネックの反りを調整するためのパーツをいじります。
トラスロッドは、ネックのヘッド側にある場合がほとんどです。
フェンダー系のギターでは、ネックのエンド側にあるものがあります。
ネックの調整はこのトラスロッドを回すことによって反りを修正することが可能です。
トラスロッドの仕組みについてはまた別の記事で解説しますが、ここでは回す方向について解説しておきます。
ネックを逆反り方向に修正したい→右回し
ネックを順反り方向に修正したい→左回し
トラスロッドは順反りを逆反り方向に直す機構ですので、順反りしすぎている時は右に回します。
逆に回し過ぎた時は左回しにすることによって、先ほどの説明であった、12Fと弦の隙間を適切に調整することが可能です。
最初は感覚が難しいと思いますが、少しずつ回して調整をしてみましょう。
ネック調整に使う工具
最後に、ネック調整をする際の工具について紹介しておきます。
トラスロッドの種類によって若干違いますので、最低限の工具は用意しておきましょう。
このように、必要な工具がひとまとまりになっている工具が非常に便利です。
便利な工具を今すぐ買っちゃおう!
他にもお役立ち記事があるので見ていってね!