ギターコラム

楽器業界の現状・ギター業界の離職率が異常に高い3つの理由

こんにちは。
エグゼムギターのメタル高橋デス!

本日の記事は、楽器業界の現状ということで、主にギター業界の離職率について書いていこうと思います。

以前、ギタークラフトの専門学校ってぶっちゃけどうなのか?という記事を書いたところ、これからギター業界への就職を考えている方からご相談を受けましたので、今回はギター業界の闇についてお話していきます。

ギタークラフト学校のメリットデメリットについての記事はこちら

また、ギター業界の離職率について、ぶっちゃけた話をこの動画でしましたので、記事を読む前にぜひご視聴ください。

サウンドハウス

ギター業界の離職率は?求人が頻繁に出ている理由

まずはじめに、ギター業界の現状として、どのくらいの離職率があるのかを書いていきたいと思います。

ただ、まずはじめに言っておきますが、今から書く離職率は統計上のデータではなく、あくまで個人の主観となります。

というのも、楽器業界やさらにその中のギター業界というのは非常に狭いマイナーな業界ですので、一般的な統計データが公表されていません。

大きく括れば製造業にもなるので、ある程度の離職率は公表されていると思いますが、括りが大きすぎるためあまり参考にはならないでしょう。

厚生労働省資料

ギター業界は特殊な業界ですので、一般的に公表されている離職率は参考にならないため、ギタークラフト学校で色々な話を聞いてきた僕が体感した離職率を書きます。

僕が体感している楽器業界の1年以内の離職率

ズバリ40%です。

ギタークラフト学校在学中、同級生や先輩、そして先生から色々な話を聞きました。

ギタークラフト学校

在学中、楽器店でアルバイトをする方や、卒業後にメーカーの工場やリペアショップに就職した方など数多くいました。

ただ、その話を聞いた数ヶ月後には、ほとんどの人が辞めているのです。

今でもたまに同級生などに会うことがありますが、上手くいっている話よりも、誰々が会社を辞めたという話の方が圧倒的に多いです。

当時教わっていたクラフト学校の先生ですら、4年後の今残っている方はわずかです。

各々事情はあるとは思いますが、当時教わっていた先生の半分は楽器業界を離れ、別の仕事に就いています。

それくらいギター業界というのは人の入れ替わりが激しい業界です。

なので、逆に誰でも入りやすい業界とも言えるでしょう。

人が頻繁に辞めるので、常に新しい求人は出ています。

ただ、理想を高く持ちすぎるとすぐにやる気がなくなると思うので、ある程度の覚悟は必要ですね。

ギター業界の離職率が異常に高い理由

それでは何故、ギター業界の離職率が異常に高いのでしょうか?

その理由はある程度想像できると思いますが、その3つの理由について解説していきます。

離職率が高い理由

1:ギター販売ビジネス自体が儲からない

2:ギター業界の体質は古い

3:ギター業界には頭のおかしい変人が多い

離職率が高い理由1:ギター販売ビジネスが儲からない

まず一つ目の理由として、ギターを販売するというビジネス自体、あまり儲かるものではありません。

基本木材を削って形にして売るという古典的なビジネスなので、労力に対して儲かる額が少ないです。

かなり効率の悪いビジネスなので、そもそも会社自体が裕福にはなりません。

僕は普段ネットビジネスを行っており、月収100万円〜300万円を稼いだこともありますが、ギタービジネスで同じ利益を出すのに比べたら、1千倍楽です。

ギタービジネスを行うためにはこのような経費が必要になります。

原材料(木材やパーツ等)や消耗品

設備投資

家賃

光熱費

外注費、人件費

送料

特に木材の価格は高騰してきていますので、なおさら経営は苦しくなります。

木工機械や塗装環境を整える設備投資もかなり大変ですし、電力消費の激しい木工機械を使用すると光熱費も高額になります。

また地味に痛いのが送料です。
ギターは結構デカイのでいちいちかかる送料がかなりの痛手になります。

また、そもそもな話、ギターは生活必需品ではありませんので、なくても誰も困りません。

あくまで趣味で行う贅沢品の一種ですので、物自体の需要がそこまでありません。

人口減少や楽器人口の減少によって、市場規模が狭くなっていますので、業界自体危うい状態なのです。

となると当然会社が儲からないため、従業員の給料は低くなり不満が増えます。

給料のわりに重労働な職場が多いため、離職してしまう方も増えるというワケです。

離職率が高い理由2:ギター業界の体質が古い

そして二つ目に、ギター業界自体の体質が古いことに原因があります。

ギタービジネスは、数十年前から基本的に変わっておらず、昔から同じことをずっと行っているだけです。

マーケティングの分野においても、他の業種からやり方が遅れており、業界の上の人たちが時代に追いつけていない部分があります。

いかにも昭和の日本というような文化を引きずっており、ブラック体質な職場が多いです。

汗水垂らして会社の奴隷になり、ひたすら働くという古い価値観が今の若者には合わないでしょう。

実際に聞いた話では、工場で上司から暴言を浴びせられ、ケツを蹴られるというような、今では大問題になるようなパワハラがいまだに行われているそうです。

頭がビンテージな上層部が多いという点が、離職率が高い原因の二つ目になります。

離職率が高い理由3:ギター業界には変人が多い

これはいい意味でも悪い意味でも、頭がおかしい人が多いというニュアンスです。

やはりこういった音楽系の業界にはクセの強い人が多く、ある意味変人がとても多いです。

そもそも普通の人間であれば、この業界に入ろうとは思いませんし、続けていくこともできないでしょう。

頭がおかしいからこそ何かを生み出すことが出来るので悪口ではないですが、変人が多いゆえに、それが合わない方はすぐに辞めてしまうでしょう。

また、音楽系となると、チャラついたヤンキー上がりのような人間も多く、そもそも仕事を続けることが出来ない人間が多くいます。

元楽器屋店員を肩書きにしてドやってる人もいますしね(笑)

音楽系だからこそ、安定的な仕事に就けない個性派の人が集まるのですが、それが災いして、就職してもすぐに辞めてしまう若者が多い印象です。

また、僕も実際そうでしたが、好きなことを仕事にすれば楽しく過ごせるという甘い考えを持った人が非常に多いです。

趣味を仕事にしたからといって、それが天職になるとは一概には言えませんので、その点をよく考えずに軽いノリで就職する方はすぐに辞めてしまうでしょう。

以上が、ギター業界の離職率が以上に高い3つの理由でした。

ギター業界に就職するべきなのか?

最後に、ギター業界に就職するべきなのか?について書きます。

こちらについては完全に個人のやる気次第となりますが、本当にギターが好きで、ギターに囲まれて仕事をしたいと思う方は、アルバイトからでもいいので試してみてはいかがでしょうか?

確かにギター業界は変人が多いので苦労することもあると思いますが、面白い人たちも多いので、職場の環境によっては天職になりうると思います。

また、就職先によっては憧れのアーティストの身近で仕事を出来る可能性もあります。

ギター業界ならではの特権だと思いますので、そういった仕事に憧れを持ち、ある程度の覚悟がある方は挑戦してみてください。

ちなみに僕の場合、低賃金重労働が嫌だったので別の仕事に就きました(笑)

ただ、今はこうして自分のブランドを立ち上げられていますので、焦る必要はないと思います。

色々考えて、ご自身が一番理想とする人生を手に入れましょう。

ABOUT ME
メタル高橋
EXEM GUITARSオーナーのメタル高橋。大の変形ギターマニアであり、大のメタル好き。ギタークラフト学校卒業後、4年の時を経て、ギターブランドを創設。
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