ギターコラム

ギター製作の専門学校ってどうなの?将来クラフトやリペアマンになりたいあなたへ

こんにちは。
エグゼムギターのメタル高橋です。

本日のテーマは、ギタークラフト学校についてです。

自分でギターを作れるようになりたい方や、将来ギター業界に就職したい方の多くは、ギタークラフトやリペアを学べる専門学校に行きたいと考えます。

ただ、本当に将来大丈夫なのか?と不安になってしまう方も多いと思います。

なので今回の記事で、これからギター製作の専門学校への入学を考えている方のために、色々な不安を解決できるようにします。

ちなみに僕は4年前に大手のギタークラフト学校を卒業しています。

実際に3年間通った経験がありますので、この記事はとても参考になると思います。

阿蛇血エネミ

ギタークラフト学校の現実について、動画で解説しているので、まずはこちらチェック!!

サウンドハウス

ギタークラフト専門学校とは?

ギタークラフトの専門学校とは、その名の通り、ギター製作を学ぶためにある学校です。

基本的に入学資格というものはないので、お金さえ払えば誰でも入学することが可能です。

ただ、専門学校とは言っても少し注意が必要で、正確には学校法人ではありません。

一部学校法人として運営されているところもありますが、基本的には自動車教習所や英会話教室と同じような扱いと思っておいた方がいいです。

つまり、ギタークラフトの学校を卒業しても、学歴として残すことができません。

正確にいうと専門学校ではないので、履歴書などには学歴として書けないことが多いです。

ただ、こういった学校に行く方はほとんど楽器業界への就職を希望していると思いますので、楽器業界であれば、経歴として全く問題なく記載することが可能です。

専門学校とはいっても、一般的な専門学校とは少し扱いが違うということだけ覚えておきましょう。

阿蛇血エネミ

学校法人じゃないと学割が効かなかったりして不便ですよね。

ただ、学校法人じゃない方が自由度が高いことが多いので、よく検討しましょう。

ギタークラフト学校で学べること

ギタークラフト学校に行くと学べることについて解説します。

ギタークラフトはたくさんの知識と経験が必要なジャンルです。

加工する材は木材だけではなく、ナット材やフレットなど多岐に渡ります。
さらに、塗装の知識など様々な知識が合わさってギター一本が出来上がります。

それらを総合的に学ぶことが可能なのが、専門学校のいいところですね。

学校によって色々コースはあると思いますが、大雑把にどんなことが学べるか解説します。

エレキギターの作り方

まずメインとなってくるのがエレキギターの製作方法です。

僕は3年間クラフト科を選択し、製作一本で学んできました。

クラフト科では主にこのようなことを学べます。

・エレキギターの製図
・エレキギターの基本構造
・デタッチャブルタイプの製作方法
・スルーネックタイプの製作方法
・セットネックタイプの製作方法
・ネック成形
・ボディ成形
・木工学
・塗装
・配線
・セットアップ方法

細かくいうと書ききれないほどあるので、ざっくりこの程度の内容が学べると思ってください。

スキャロップ加工やLED指板、サンバースト塗装、ラメ塗装などなど、特殊なことも教えてもらえます。

エレキギターのリペア

学校によってはリペアに特化したコースも用意されています。

主にリペアマンを目指す方に向けたコースになります。

・スキャロップ加工
・フレットレス加工
・リフレット
・フレット擦り合わせ
・ナット交換
・タッチアップ
・リフィニッシュ
・ネック折れ修理
・セットアップ
・配線変更
・導電処理

このようなニーズのあるリペアの項目を学ぶことが可能です。

リペアショップに就職して即戦力となるような技術を学ぶことが出来ます。

もちろんクラフト科でも、基本的なリペアの項目は教わることは可能ですが、リペアコースの場合はより専門的に、本格的に学ぶことができるので、リペアマン志望の方におすすめです。

アコースティックギターの作り方

アコースティックギターの場合、エレキギターと構造が根本的に違うため、全く別のコースが用意されていることがほとんどです。

アコギの作り方や基本構造を学べるコースなので、アコギ派の方はこのコース一択です。

阿蛇血エネミ

作る方を重点的に学びたいのか、リペアを学びたいのかによってコースが違うので、よく考えておきましょう!

ギタークラフト学校のメリット

僕が実際に3年間通って感じたギタークラフト学校のメリットについてご紹介します。

ギタークラフト学校のメリット

ギターの正しい作り方をプロから教わることができる
自分が欲しいギターを自分で作れる
学校にしかこない求人票を見れる
楽器業界への就職に少し有利になる
同じ志を持った仲間に出会える
プロのギタリストにギターを弾いてもらえる

ざっくりこんな感じですかね。

当たり前ですが、ギターを作れるようになるのがメリットでしょう。

ぶっちゃけギターなんて精密機械ではないですから、誰でも作れるものです。

僕がやっているようなクラフトチャンネルの動画を見て、真似すればある程度は作れます。

ただ、誰でも作れるとは言っても、それは形だけで、実は細かいところでクオリティの差が出てしまいます。

学校でしか学ぶことの出来ない細かい知識や技術は必ずあるので、本格的に売り物になるギターを作りたいという方は、通うことをオススメします。

阿蛇血エネミ

YouTubeを見ていると、日曜大工レベルの酷いギター製作動画が多いですもんね。

しっかりとしたギターを作りたい方は、専門学校で本格的に学んだ方がいいでしょう。

ギタークラフト学校のデメリット

続いて逆にどのようなデメリットがあるのかをご紹介します。

ギタークラフト学校のデメリット

女の子がほぼいない
学費が結構高い
授業時間や作業スペースの制約がある
就職先はあるが給料は安い
学校法人ではないので学歴にならない
定期券などの学割が出来ない

デメリットはこのような感じですね。

なんと言っても女の子がほぼいないというのは致命的ですね(笑)
ギタークラフト系女子なんてこの世界にはほぼいません。

そして学校である以上は、授業時間も限られていて、機械も他の人と共有するので独占は出来ません。

機械の順番待ちや塗装の順番待ちが若干ストレスになります。

また、肝心の就職先については、色々あるのですがどれも給料は安いです。

そして地味に痛いのが、学生扱いにならないので、学割が使えません。
世間的にはニートです。

僕的にあまりデメリットに感じませんが、学歴にならないので、履歴書には基本書けません。

高校からクラフト学校に進学した場合、学歴は高卒扱いになります。

そもそも、そんなことを気にする方はクラフト学校なんかに進学しないですけどね(笑)

阿蛇血エネミ

確かにギタークラフト女子なんてほぼいないですねwww

ギター製作学校の学費

続いて気になるのが、ギター製作学校の学費だと思います。

僕は大学に行っていないので相場は不明ですが、おそらく一般的な私立大学や専門学校とさほど変わらないでしょう。

僕が行っていたところは、
1年目150万円
2年目130万円
3年目以降100万円

という感じでした。

ただ最近は生徒数の減少や木材価格などの高騰によって、さらに上がっている可能性があります。

これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれですが、大型機械や塗装設備が使い放題で、木材やパーツ代なども込みであれば、妥当だとは思います。

当然ローンや新聞奨学生制度も使えるので、お金のない方はそれらを駆使して頑張りましょう。

阿蛇血エネミ

この学費はキツイですね。

ただ、学べることはかなり多いので、将来的に回収出来るでしょう。

生徒の年齢層と男女比

続いてきになるのが、どんな人たちが入学しているのかだと思います。

男女比については先ほど言った通り、女子はほぼいません。
1クラス20人くらいとして、多くて3人です。

普通は1人いたらいい方だと思います。

そして年齢層ですが、高校から進学した組と中高年層が半々くらいです。

なので、若者ばかりの環境では?と心配している方も安心してください。

脱サラなどをして、ギタークラフトなどを学ぼうとしている30代〜60代の方も意外と多いです。

ちなみに僕が行っていたところは、午前クラスと午後クラスが分かれていました。

午前クラスは、ヤンキー系の若者が多い印象。
午後クラスは、大人めな方が多い印象です。

阿蛇血エネミ

若者と中高年が半々なのは嬉しいですね。

卒業後の進路や就職先の現状

そして一番気になるのが、ギタークラフト学校を卒業した後の進路だと思います。

こちらについては、もちろんその人次第ですが、あまり期待はしない方がいいでしょう。

確かに求人票はたくさん届きますが、基本的に楽器業界の企業はほとんどブラック企業なので、重労働で給料が安いところが多いです。

ギター業界の現状や離職率については、こちらの記事をご覧ください。

それでも、好きなギターメーカーに就職したい方にとっては良いと思います。

僕の体感的には、楽器業界に就職する方はクラスの1割〜2割くらいです。

その他は、家具を作る会社や塗装会社など、ギタークラフトに使う知識を活用出来る所に行く方もいます。

音楽系の学校なので、当然そのままフリーターの方も多いですし、居酒屋に就職するなんて人もいます。

独自ブランドを立ち上げしたとしても…

僕みたいに、自社ブランドを立ち上げる人はかなり希少な存在です。

ただ、多くの人は、作ることは出来ても経営することは出来ません。

ギターを作る技術と、経営をするスキルは全く別物ですので、多くの人は何も考えずに工房を立ち上げ、赤字が続き廃業します。

集客をどうするのか。
初期設備投資の回収年月
家賃や光熱費などのランニングコスト
人件費
その他諸経費
税金関係

などブランド経営をするためには問題が山積みです。

ただでさえ飽和しているギター業界に参入するのですから、自分のブランドの立ち位置と見込み客の層を設定し、集客の方法も確立させないとかなり厳しいです。

ちなみに。僕の場合はそれがわかっていたので、卒業後はネットマーケティングの会社に就職し、そこでビジネススキルと多額の資金を得てからブランドを立ち上げました。

ネット集客の知識もあり、他ブランドにないコンセプト作り、そしてコストがかからない運営体制を取っていますので、この先プラスにしかなりません。

ただ、ビジネスを学ばずに起業した人たちは今後相当厳しいと思います。

楽器業界に就職出来たとしても…

また、例え楽器業界に就職出来ても、離職をする人が多いです

楽器業界は離職率が高いので、せっかく就職してもすぐに辞めてしまう方が多いのが現実です。

趣味を仕事にするのは簡単なことではないということ改めて実感しますね。

ただ、ギタークラフト学校という特殊な環境に身を置くことは、人生にとってとても貴重な体験になります。

僕はたくさんの思い出が作れましたので、ギタークラフト学校に入学したことを全く後悔していません。

ぶっちゃけ将来なんてどうにでもなるので、大学で何の役にも立たない勉強をするくらいだったら、好きなことをした方がいいと思います。

ただ、もう一度言っておきます。

ギタークラフト学校に女はいません!

その点十分ご注意ください!

阿蛇血エネミ

確かに就職先はろくなところがないですね。

将来を心配する方は、趣味と割り切って通うことをオススメします。

ABOUT ME
メタル高橋
EXEM GUITARSオーナーのメタル高橋。大の変形ギターマニアであり、大のメタル好き。ギタークラフト学校卒業後、4年の時を経て、ギターブランドを創設。
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